M&Aによる会社売却ガイド

この記事では、将来、会社を売却したい、または選択肢のひとつとして考えている、という方向けに、どうすればうまく会社を売却できるか?をご紹介していきます。

 

会社売却の種類

まず、基礎知識として中小企業を売却(M&A)するときの3つのパターンを見ていきましょう。

株式譲渡

中小企業の会社売却の9割は株式譲渡といわれています。これは自社の株を買い手に譲渡し、その対価として現金を受け取る方法です。会社の売買としてはごく一般な方法です。通常は売り手の株式を全て譲渡しますので、会社を”丸ごと売る”ことになります。

合併

売り手企業を買い手企業に吸収させる方法です。通常、売り手企業は消滅することになります。売り手企業の資産や負債、権利など全てを吸収する側の企業に引き継ぎます。

 

事業譲渡

会社の一事業だけを売却する方法です。たとえば、成長している事業だけを売却することで、買い手が付きやすかったり、高値で売りやすくなったりします。

 

他にも第三者割当増資などの方法もありますが、上記の3つが一般的なパターンになります。

 

あなたは会社を売却すべきか?

中小企業のM&Aが増えていることは、様々なメディアで取り上げられています。だからといって、あなたの会社を売却することが必ずしも正解とは言えないかも知れません。

会社を売却するか否かを判断するために、経営者が会社を売却したいと思う理由について見てみましょう。

後継者不在

後継者不在により、事業の継続が困難になった場合です。中小企業のM&Aが増えている一番大きな理由はこれでしょう。そして、後継者不在になってしまう理由は、後継者を育てようとする気持ちが無かった、能力のある人材を採用できなかった、子供に継がせようと思っていたが本人にその気がなかった、などが挙げられます。

 

市場の縮小

市場が縮小し、売上・利益が減少。それに伴って、自社だけで運営していくことが難しくなり、他社に売却し、事業の存続を目指すパターンです。業界の再編が行われている場合には、この理由での会社売却が増えます。

 

成長戦略

会社をより成長させていくために、資本の大きい会社に売却するパターンです。先述の市場の縮小パターンよりも積極的な意味合いでの売却になります。スタートアップ企業などに多くみられるパターンです。

 

会社を売却したい、と思った時にはすでに遅し?

この記事をお読みのあなたはもしかしたら、

まだまだ自分は若いし、売却なんてまだ先のことだな

と思うかも知れません。しかし、私たちはいつも、”実際に会社を売るかどうかは別にして、いつでも売れる会社にしておくことが大切”とお伝えしています。

会社を売るというのは、経営者にとってあくまで一つの選択肢に過ぎません。なので、将来的にあなたがそれを選ぶかどうかはその時の事情によるでしょう。しかしそれでも、いつでも売れる会社にしておくことが大切だと言えます。

その理由は以下のとおりです。

 

健康問題はいつ起こるかわからない

ほとんどの中小企業にとって最大のリスクは経営者自身、特に健康上の問題です。経営者が何歳であろうと、突然病気になったり、怪我をしたり、という可能性はあります。たとえばもし、今日からあなたが出社できなくなったらどうなるでしょうか?

ほとんどの中小企業では、経営者がいなくなれば、まともに運営が出来なくなります。その際に残された社員や顧客はどうなるのでしょうか。

人はいつ病気になったり、怪我をするかわかりません。もし、そんなときに、会社が売れる状態になっていれば、事業存続のために会社を売却するという選択肢を取ることが出来ます。

 

環境の変化は急激である

2020年初頭から新型コロナウィルスの感染拡大が世界中で広がりました。そして、多くの中小企業が大きな売上減少、または存続の危機に陥っています。これほど急速に事業環境の変化が起こるのは、ほとんどの経営者にとって初めてのことではないでしょうか。

逆に言うと、今回のコロナ禍を機に、このような環境の変化がいつでも起こりうるのだ、ということを前提に経営をしていくことを意識せざるを得なくなったと言えます。

環境変化に耐えられる企業はまだ良いですが、体力のない会社は変化についていけず、事業継続が困難になります。もしそんな状況になったとき、あなたの会社が売れる状態になっているかどうかが、生き残りの分かれ目となります。

 

後継者育成には時間がかかる

いま日本の中小企業の最大の課題は後継者不在である、といっても良いでしょう。自分はまだ若いから大丈夫、と思っているかも知れませんが、いま後継者不足に悩んでいる会社の社長も、昔は同じことを考えていたのだと思います。

まだまだ若いから、、、と思っているうちに、後継者を探すことも、育てることもしなかったら、あなたの会社も後継者不在という問題に突き当たります。

実際のところ、後継者を育てるには10年はかかると言われています。あなたの会社に10年後に後継者になってくれそうな人はいますか?

私たちの経験から言って、ほとんどの中小企業にはそういった人材がいないのが実態です。

10年後に慌てないように、いまから後継者問題について考えておく必要があります。具体的には、親族内に継いでくれる人はいるかを話し合っておく、能力のある人材を惹きつける魅力的な会社を目指していく、10年後のビジョンを描き、社内で共有しておく、などが考えられます。

 

いまのM&A市場は売り手企業が損する構造?

さて、一般には会社を売却したらオーナーにはお金が入っていて「ハッピーリタイア=成功者」のように思われています。もちろん、そのように成功した方も多いでしょう。私たちの顧客の中にも見事、希望金額で売却に成功した方もいらっしゃいます。

一方、米国のデータによると後悔の理由には、想定以下の金額でしか売れなかったことや、売った後にやることが無くなり、喪失感を味わっている、ことなどがあるそうです。

実は売り手側が後悔してしまう大きな理由は、いまの日本のM&A業界の構造にあります。その理由は以下に挙げる通りです。

 

ほとんどの売り手企業がM&Aの素人

売り手側の企業オーナーにとって、会社を売却するということは、ほぼ生涯に一度のイベントです。(何度も売却を繰り返すシリアルアントレプレナーを除く)

そのため、当然ながら会社売却やM&Aに関する知識がありません。一方、買い手側企業や仲介会社はどうでしょうか?彼らは何件も取引を繰り返しているので、経験があります。

売買取引というのは通常、買い手側、売り手側が同等の知識や経験を持ち、取引終了後にお互いWin-Winになれるものです。

しかし、M&Aの場合、先ほど言った通り、売り手企業と買い手企業(仲介会社)との間に、大きな経験と知識の差があります。これが、売り手企業が上手く交渉を進めることが出来ず、最終的に後悔してしまう大きな理由なのです。

 

M&Aアドバイザーは取引を早くまとめたい

M&Aを進める場合には、仲介会社やM&Aアドバイザーに依頼することになります。ここで問題になってくるのが、全部とは言いませんが、多くの場合、売り手企業のオーナーと仲介会社、M&Aアドバイザーは、利益相反の関係にあることです。

まず、売り手企業のオーナーの希望はなるべく高い金額で会社を売りたい、ということだと思います。

一方の仲介会社やM&Aアドバイザーは、買い手企業の意向を汲むため、安く、そしてなるべく早く取引をまとめたい、という希望があります。

先ほど言った売り手企業側が圧倒的に経験不足、知識不足という事実と、この利益相反の関係性が相まって、売り手側オーナーの”高く売りたい”という希望が実現できないことが多いのです。

 

後悔しない会社売却のために必要なのは「バリューアップ」

ではオーナーが後悔しない会社売却をするためには何が必要なのか?

それが「バリューアップ(価値向上)」です。

バリューアップとは、会社が高く売れるように事業を磨き上げていくことを指しています。

ほとんどの中小企業、スモールビジネスが高値で売れないのは、このバリューアップというプロセスを経ることなく、仲介の段階に入ってしまうからです。

なぜそうなってしまうのかは先ほど申し上げた通りで、仲介会社やM&Aアドバイザーはとにかく早く取引をまとめたいと思っているからです。彼らはあなたがバリューアップするまで待とうとはしません。いますぐ決まる案件を求めているのです。

会社を高値で売却したいのであれば、何も彼らの都合に合わせる必要はありません。

会社売却をしようと思っている社長は、何十年と経営しているはずです。その時間と労力に見合う価格で売却するためには、売り急ぎは禁物です。これまでの投資に対するリターンを得るためにも、経営者人生最後の仕上げ、バリューアップを考えるべきだと思います。

ではバリューアップとは具体的に何を行うのでしょうか?詳しくはこのサイト「EXIT CLUB」内でも記事をアップしていますが、大きな項目としては次のようなものが挙げられます。

  • 今後、成長が見込める市場を見つける。
  • 社員と会社の結びつきを高める。
  • 自社の価値(強みや独自性)を可視化する。
  • 社長が交代しても経営できる状態にする。
  • 特定の社員が抜けても問題ない状態にする。

このバリューアップのプロセスには大体2-3年は見ておいたほうが良いでしょう。そんなにかかるのか?と思われるかもしれませんが、このバリューアップをするかしないかで、売却金額が大きく変わってきます。

会社経営の最後の最後で後悔をしないためにも、欠かせないプロセスだと思って取り組んでいただきたいと思っています。

 

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