会社を高く売るなら成長可能性があるかどうかがカギ

清水直樹
本記事では高値での会社売却を実現させるためのバリューアップテクノロジーのひとつ、”成長可能性”についてご紹介していきます。5年~10年を目途に会社を売却したいと思っている社長はぜひご覧ください。

 

一言で言えば、成長する可能性のある企業には高い価値が付きます。これは直感的にもそりゃそうだ、と思えることですね。

場合によっては、買い手企業は成長可能性が高いという理由だけで、会社を買うことがあります。買い手企業が、あなたの会社を買収することで、ビジネスの成長をはるかに速くすることが出来ると判断した場合には、そのような取引が行われます。買い手企業が既存事業とあなたの会社がやっている事業にシナジーがあると思ったら、多少高くても買うわけです。

 

創業後わずか2年で会社売却に成功したカラクリ

海外ですが、例を挙げてみましょう。シリアルアントレプレナー(連続起業家)であり、プロフェッションなる経営者でもあるロジャー・フォード氏という人物がいます。

彼はPetshotelというペット用の宿泊施設を創業し、わずか2年後に会社をペット用品販売の大手、PetSmartという会社に売却しました。

わずか2年で会社売却に成功

なぜそんなことが出来たのでしょうか?

そのカラクリはPetsHotelの運営が完璧に仕組み化されていたことでした。ロジャー・フォード氏は、PetsHotelの店舗を実際にオープンさせる1年前から店舗運営の方法をシミュレーションし、運営マニュアルを創っていたのです。

そして、実際に1店舗目をオープン。店舗は彼のシミュレーション通りに機能しました。すると彼はすぐにPetSmartに話を持ち掛けたのです。PetSmartは既に何店舗も持っている巨大なチェーン店です。そこでロジャー・フォード氏は、このPetsHotelをPetSmartの各店舗に併設すれば、大きなビジネスになると提案したわけです。

PetSmart側も、これは成長の可能性がありそうだ、ということであっという間にM&Aが成立した、というわけです。

この話にはいくつかの教訓があります。

仕組み化されていなければ会社は売れない

まず繰り返しになりますが、ロジャー・フォード氏は自分が店舗に立つのではなく、他の人でも店舗が運営できるように経営を仕組み化、マニュアル化していたということ。会社を売却する際、経営がオーナーに依存していては売ることが出来ませんから、これは非常に大事なポイントです。

 

最初から売る相手を決める

そしてロジャー・フォード氏は初めからPetSmartに会社を売却するつもりで創業したことです。実際、彼はPetsHotelのロゴを作る際、PetSmartのロゴと隣り合わせにしても違和感が無いようにデザインしたそうです。初めからどこを出口にするか?を決めていたわけですね。これも社長の出口戦略を考える上では大切です。

なお、仕組み化とマニュアル化に関しては以下サイトに解説記事をアップしていますので合わせてご覧ください。

仕組み化で会社が成長する- 仕組み経営

こんにちは、一般財団法人日本アントレプレナー学会の清水です。 このサイト「仕組み経営」の目的は、会社の経営を仕組み化する…

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今回はマニュアル作成完全ガイドと題して、マニュアルの作り方のコツから例、テンプレートなどまでをカバーしていきます。主には…

 

会社を高く売るための成長戦略とは?

では実際に会社を高く売るための成長戦略はどう考えたらよいでしょうか?

ここでは3つの方向性を考えてみます。

地理拡張で成長する

あなたのビジネスは別の地域でも通用しますか?

たとえば、大阪に本拠地があったとして、それを東京や福岡、さらには海外でも通用するようなビジネスになっているでしょうか?

日本の中小企業では、地域ナンバーワンを目指している社長も多いです。そういったローカル色が強い場合だと、当面は安定した経営が出来るかも知れませんが、他のエリアで通用する可能性が薄いです。

逆に、どのエリアに参入しても地域ナンバーワンになれるノウハウがある、というのであれば非常に成長可能性が高いと言えます。先ほどのPetsHotelはその典型ですね。

今の時代であれば、インターネットがありますから、ローカルの顧客だけではなく、全国、世界の顧客を相手にビジネスが出来るモデルになっているかどうかも成長可能性に関わってくるでしょう。

 

他の文化でも同じ成功を収めることができますか? という問いも大事かも知れません。日本ならではの商品やサービスを販売している会社もあると思いますが、それらの商品を他の文化圏でも販売できるでしょうか?たとえば、1889年に、シャルマーニュ・マヨはフランにポール・ベーカリーを設立しました。彼の新鮮なパン(日単位ではなく分単位の新鮮さ)は、過去1世紀にわたって着実に成長し、シアトルにおけるスターバックスのようにフランスで普及しています。さらに興味深いのは、新鮮なフランスパンの文化的魅力が国境を越えて拡大していることです。現在、ポールはスペインからドバイ、日本まで19カ国で新鮮なフランスパンを提供しています。

 

ブランド拡張で成長する

あなたの会社に強いブランドはありますか?ブランドを拡張して、別の商品群を創り、もっと多くのものを売ることが出来ます。ブランド拡張の典型例は、イギリスのヴァージングループでしょう。

創業者のリチャードブランソンは人々を楽しませるためにヴァージンブランドを作りました。最初はレコード販売から始まりましたが、のちには携帯電話、飛行機や宇宙など、ヴァージンブランドで数百の事業を展開しています。

また、実はこのサイト「EXIT CLUB」も、もともとは私たちの別のブランドである「仕組み経営」の拡張なのです。会社を仕組み化する考え方とメソッドを提供するのが「仕組み経営」なのですが、その内容をM&Aや会社売却に特化させたのが「EXIT CLUB(内部的には「仕組み経営 for M&A」という名前)なのです。

こんな感じで、自社の抱えているブランドを横展開したり、別市場に展開したりできる余地があれば成長可能性は高まり、買い手にとっても魅力的に映るでしょう。

 

垂直拡張で成長する

これは単純に言って、いまの商品やサービスを変えることなく、ビジネスを拡大させる余地があるかどうか?ということです。

これにはさらにいくつかの観点があります。

いまのリソースをもっと稼働させることができるか?

たとえば、200部屋あるホテルで、今現在1日平均75人しか予約がないのであれば、インフラへの大きな投資をすることなく、2倍以上に拡大する可能性があります。

今の市場にもっと売ることが出来るか?

これは単純にシェアを拡大させる余地があるかどうか?です。買い手側企業が、”この会社(あなたの会社)の商品やサービスはうちのリソースをもってすればもっと売れる可能性がある”と判断すれば買い手が付く可能性が高まります。

追加投資をすることなく成長できるか?

既存のインフラ(スタッフ、機械、オフィススペース)に追加費用をかけることなく、より多くの顧客に対応できるかどうか?これは良く、「スケールアップ(拡張)」と「グロース(成長)」の違いとして知られています。

スケールアップとグロースの違い

スケールアップというのは、多くの追加投資をすることなく、ビジネスが伸びていくということです。クラウドサービスなんかは典型ですが、通信販売なんかも当てはまります。たしかにもっと売るためには広告費を増やさないといけないかもしれませんが、2倍売るのに固定費が2倍必要になるわけではありません。

一方のグロースというのは投資に比例して、ビジネスが伸びていくということです。何かを販売している販売代理店などの場合、営業スタッフの数によって売り上げが決まってくることがあります。そうなると、2倍売るためには2倍の人件費がかかることになります。

当然ながら、グロースよりもスケールアップできるビジネスモデルのほうが買い手企業にとっては魅力的に映ります。店舗ビジネスは典型的なグロースタイプのモデルですが、店舗で物販をしたり、オリジナル商品をネットで販売したり、というモデルが考えられるのであれば、スケールアップの要素を取り入れることも可能になります。

 

会社売却に向けて成長戦略を明確にしよう

というわけで、会社を高く売るためには成長可能性が必要だという話をしてきました。現時点ではあまりアイデアが思い浮かばなかったとしても安心してください。どんなビジネスでも成長の可能性は見いだせるものです。

何もここでご紹介したすべてをやる必要は全くありません。大切なのは、成長の方向性を明確にすることです。もし誰かが「10億円自由に使って成長させて下さい」と言ってきたとしたら、あなたはどこに投資をしますか?店舗を増やすのか?人を増やすのか?広告費を出すのか?またはスケールアップできる新規商品を開発するのか?

その方向性を定めることが大切なのです。ぜひこれを機に、自社の成長戦略について考えてみてください。

 

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